No.362: 調べた。
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2005年09月06日の日記の概要
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.「大黄」と「大黄」に含まれる bianthron について。
ダイオウ。
薬効:消炎、瀉下。あれ?嚥下じゃないの??ww
瀉下っていうのは、「便秘」の人に…ってことですね。
一方、副作用としては腹痛、腹鳴、悪心・嘔吐などが知られている。
子宮収縮作用、骨盤内臓器の充血作用→妊婦には使用を控える。
経口投与により、ダイオウに含まれる sennosideA は
sennosideA →(腸内細菌biphidobacteriaなどの分解)→rheinanthrone
と分解される。
この rheinanthrone が大腸壁を刺激して蠕動運動を活発にして瀉下効果をもたらすとされており真の薬効成分だとされている。
要するに、ダイオウに含まれる sennoside だけじゃあ、薬効は期待できないってこと。
だから腸内細菌を弱める化合物と一緒に飲んじゃダメだ!!!111
弱める薬の例:正露丸、抗生物質etc...
じゃあ、 rheinanthrone を飲めばいいじゃん?
って思うんだけど、経口投与すると胃液やらなんやらでヤバイようで。
確実に大腸で働かせるには配糖体であるsennoside( ~side は配糖体って意味だと習った)の形で飲まなければならない。
DDS(drug delivery system) が生薬の状態ですでに人間が高いお金を出して精製した薬品より優れていることから、現代でもほとんどの便秘の人に処方する治療薬として生薬(漢方)の形で用いられる。
しかし、末期ガンの患者など morphine を使って物凄く重い便秘の人には用いない。
なぜなら、同じくダイオウに含まれる rhatannin (∈tannin)が働き止瀉作用、便秘作用をもたらし、さらに便秘を重くすることになるからだ。
あと「大黄」が渋いのはこの rhatannin (タンニン)のせい。
やっぱり「良薬口に苦し」…なのか。
院試の「生薬」に出てきた sennoside に似ているbianthroneの構造式。
naphthoquinone二つが重合した形。