No.708: 生薬の学名を解読してみた#3
月別表示: 2006年10月の記事 カテゴリー: 未分類
2006年10月29日の日記の概要
excerpt
.着々と進行中のこの生薬特集。
薬学部の人間なら1年生の入学直後から聞き飽きるほど注意されたので9割以上が正しく読めるという生薬ですが、さてなんて読むでしょうか?
1.なまぐすり
2.いきぐすり
3.せいやく
4.しょうやく
まあ、こういえば大体3を避けるでしょう。答えは4番の「しょうやく」です。
二度と他人にこんなありきたりな quiz を出さないことをここに誓っておく。
さて、学名を引き続き「解析」するわけですが、そろそろ解析と言うほど意味不明な対象ではないことが分かってきました。なので今回から題名が「解読」に変わりました。
じわじわと名詞の格変化の規則も分かり始めたし。
例えば、Arctostaphylos Uva-ursiのUvaが生薬名になると、Uvae Ursi Foliumになるというような、名詞の変化。
これまで以下の6つの生薬と、生薬の基原植物の学名の意味を調べた。
中にはただのラテン語ではないものもあり、難航したがまあ、何とかなった。
Foeniculi Fructus, Uvae Ursi Folium, Scutelliae Radix
Phellodendri Cortex, Coptidis Rhizoma, Polygalae Radix
今回は、マメ科のカッコン、同じくマメ科のカンゾウ、キキョウ科のキキョウについて調べてみた。
カッコン
基原植物
Pueraria lobata
(浅裂したクズ)
生薬名
Puerariae Radix
(クズの根)
主成分はpuerarinで発熱、解熱作用がある。
- Pueraria マメ科クズ属。人名由来。
- lobata 浅裂した
カンゾウ
基原植物
Glycyrrhiza uralensis
(ウラルの根の甘い植物)
生薬名
Glycyrrhizae Radix
(甘い根っこ)
主成分はglycyrrhizin。用途は鎮痛、鎮痙、鎮咳、去痰。
- Glycyrrhiza 甘い根
- uralensis ウラルの
キキョウ
基原植物
Platycodon grandiflorum
(広い鐘のような大きな花をつける植物)
生薬名
Platycodi Radix
(広い鐘の花の根)
鎮咳去痰薬
- Platy 広い
- codon 鐘
- grandi 大きい
まだまだ続きます。