No.779: 薬理学の俯瞰図
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2007年03月02日の日記の概要
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.3月2日までに薬理学の俯瞰図が完成した。これ以降は、細かな情報を整理、統合して知識を定着させること、そしてその後の研究や応用に備えること。この時点で、全く知らない項目は無くすべて一度は見たことのあるものの延長線上の情報またはより細かな情報に過ぎない。そう考えると、ぐっと楽になる。
今日は、今、薬学部で勉強している人、今年から薬学部で勉強する人、なんとなくこの記事に迷い込んだ暇な人(ただしNEETも可)と、薬理学についての日記をお送りします。
ここで問題です。
薬理学 pharmacology とはどのような学問でしょうか?
薬理学を勉強しているのに、意外に忘れがちなのがこのこと。何事も細部を細かく勉強しようとすると、一番大きな項目を疎かにしがちなので、ここで確認しておきたい。
薬理学とは、薬と生体の相互作用の結果起こる現象を研究する科学である。
と、今、実家の自室の机上にある薬理学の教科書の冒頭で定義されている。薬理学を勉強する上で、特に重要なことは、[ 薬の性質 ] 、[ 疾患への適用の妥当性 ]を知ることである。
薬の性質を知るためには、有機化学や無機化学といった化学的な知識が必須である。特に、有機化学の知識が必要である。有機化学は既存の薬物の作用を理解するだけでなく、創薬にも不可欠。しかし、有機化学を勉強するためのmotivationを維持するには、合成したい化合物を多く知っておかなければならない。医薬品の有用性を知ってこそ、合成する意義も理解できる。もちろんただ単に知的好奇心や商業利用、己の合成技術の高さを証明するために全合成に挑んだという例もあるが、生成物の多くは、わざわざ合成してまで手に入れたい化合物のはずである。たとえば医薬品や、宇宙開発や家電に用いる新素材である。
疾患への適用の妥当性を知るには生物学、分子生物学、生理学、病理学などの知識が必須である。高校時代、物理と化学だけで生きてきたので、生物よりのことは全く新しく大学で勉強することになったけど、どうやら何とかなりそうです。特に分子生物学については、あの分厚いThe Cellを読めば怖くない。
最後に、上記の知識があったとしても、「十分」にはなり得ない。だから薬理学という独立した学問領域があるのだと再確認して、むりやりまとめたいと思います。
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明日は、ひな祭りに被せてくる度胸のある「耳の日」!
Happy ears day!