No.992: ぷるりぽてんと
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2007年12月08日の日記の概要
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.iPS細胞に関して疑問に思っていたことがあったのですが,totipotent stem cellは全能性幹細胞,pluripotent stem cellは多能性幹細胞と訳せばいいのでしょうか.
直訳っぽくするなら,全能性(totipotency),万能性(pluripotency),多能性(multipotency)が綺麗な気もしますが,そもそもこれらのうち個体発生の段階に進めるのはtotipotentな細胞だけらしいので,他の二つとは別格扱いした方がいいんじゃないかと思うのです.
万能性(pluripotency)と多能性(multipotency)だけなら分かりやすいのに.
そもそも,日本語で「全能」と「万能」ってあんまり区別されていない.
そんな便利なものがあるのは物語の中だけでしょ.万能薬だって,存在しないこんな世の中.
日常生活でこの二つの言葉の違いを見かけるのはドラクエとFFをやっている時ぐらい.ドラクエでは教会の神父さんに適切なゴールドを払えば全知全能の神が仲間を生き返らせてくれる,FFには万能薬がある.でも,作品によっては万能ではないことも多い存在.
無理に三文字で表現しなくても,発生全能性,分化全能性,分化多能性にすればいいとおもうんだけどなー.
ところで,そんなiPS細胞を使って,美味しい和牛の肉を培養したら……,
イヤッホー,夢が広がるぜー!
って思ってみたわけですが,動物細胞を培養するのはかなりの時間と維持費が掛かるようなのできっと割に合わないでしょうね.
それだったら物凄く美味しいと知覚させる謎の成分を作り出す大腸菌を培養した方がいいような気がします.
こんな感じでbiotechnologyの最先端は進歩が著しいようですが,ここにいる学部3年生は基礎の基礎を知り始めた程度です.
でも,年末の試験の全科目の中で,一番危険な雰囲気なのがbiotechnology概論(選択科目)だと確信しましたよ,と.
概論なので,biotechnologyの歴史と大まかな印象を掴むことが目的のようですが,小項目としては,human genome projectの概要と背景知識,cDNAのcloning方法からtransgenic mouseの作成法まで,monoclonal antibodyの精製法と創薬への応用,植物に関する知識など,楽しい内容がいっぱいです.
心に余裕があるときであればw
なかなか密度の濃い講義で,他の講義との充実感がなんか違うのです.特に臨床にあまり興味の無い者としては,こういった研究手法の方が「萌える」ようです.臨床系の講義も自分や家族が医薬品を飲むときに役立つだろうと,用法・用量や相互作用については,興味を持てているけど,輸液についてとか,そういうのは正直言って…….上下水の塩素消毒とか,もうね.
でも薬剤師免許は取っておきたいから.
明日起きたら,また不用な知識を詰める作業が始まるお.
この夏に絶版の恐怖の片鱗を味わいながら名古屋のネットカフェで原作を読んだ「なるたる」の再版が決定したようですね.
12月10日ぐらいに書店に復活するという噂を2chでさっき見かけましたよ,と.