Lucky Reviews Afterstory

2007-05-11 第三種接近遭遇

夏休み最後の日、夜の学校のプールで出会い伊里野に泳ぎ方を教える浅羽。翌日二学期の始業式、昨夜会った伊里野が浅羽の学校に転入してきたが、空襲警報（訓練）が鳴り響いたときに事件は起こる。

イリヤの空、ＵＦＯの夏 第01話のあらすじ（概要）

夏休み最後の日、夜の学校のプールで出会い伊里野に泳ぎ方を教える浅羽。翌日二学期の始業式、昨夜会った伊里野が浅羽の学校に転入してきたが、空襲警報（訓練）が鳴り響いたときに事件は起こる。

今更だけど「イリヤの空、ＵＦＯの夏」を観てみた。

最近は実生活がそこそこ忙しく、アニメの感想となると２クールどころか１クールでも感想が途絶するほどで、かという言い訳にしている勉強の方もめっきりモチベーションが下がる５月病のある日、まさかの半クール（全6話構成）のアニメが存在することを思い出したので、感想を書くことにしました。それが、このイリヤの空、ＵＦＯの夏。Amazonのレビューを読む限りではどうやら最終兵器彼女と雰囲気が似ているらしい。「最終兵器彼女」は評判どおりのセカイ系で、一時期読んで楽しめたが、今読んで楽しめるかどうかは今度読んでみないと確認できそうに無いというのが本音だ。というか、今度アニメ版のサイカノを見てみようと思う。映画版は見るからに「地雷」っぽいので見に行きませんでした。そんなこんなで最近触れていなかったセカイ系に触れてみようと思う。（ただし私見では、「涼宮ハルヒの憂鬱」は正真正銘のSFでセカイ系だと考えているのだが、世間では議論の余地が残されているようなので、ハルヒを除けば久しぶりと言う意味。）

電撃文庫「イリヤの空、ＵＦＯの夏 」が原作で、アニメはさすがに尺不足との意見もあるので、見終わってなお興味があれば原作で作品を「補完」したいと思う。ちなみに、ニンテンドーDSソフトとして「イリヤの空、ＵＦＯの夏」が出ているようです。

深夜のプールで出会った少年と少女

冒頭から通常では絶対にあり得ない展開。まず深夜の学校のプールに忍び込む少年は良いとする。いや、忍び込むのは良くは無いが物語の進行上、非日常な世界への入り口としてはこれで良い。だが、待って欲しい。この展開は、どこのエロゲだ？エロゲといえばそれが原作になったアニメ（【KEY作品】Kanon、AIR）を見たことがある程度にしか知らないけど、こんな都合の良い展開は良くも悪くもラノベ的だと感じた。しかも、泳げない少女を助けるために飛び込む→助ける→密着→何故か女の子の方が鼻血→拭くもの探して他人の荷物を迷わず漁る少年という流れがぎこちない。小説の地の文はこの時どうなっていたんだろう。少年はよほど動揺していたのだろうけど、その後わりと落ち着いて少女に泳ぎを教える場面があって、ふと疑問に思う。だったら、何故、浅羽 直之（あさば なおゆき）は夜のプールに忍び込む必要があったのか。他人に教えられるなら泳げるんじゃないかと……。何か唐突な感じがする。このあたりの流れは小説ではどうなっていたのか、なんだか本来の楽しみ方とは少しずれて、そっちのほうが気になって仕方が無い。よく聞いていると、伊里野 加奈（いりや かな）の声は宇宙のステルヴィアのヒロインしーぽんこと片瀬志麻の声優と同じ野中藍さんだと判った。この人の声も好きだな。あとはかみちゅ！の三枝みこも演じていたとか。かみちゅ！もステルヴィアも以前感想を書きましたが、どちらも第2期の希望して止みません。

翌日、夏休みが終わった……。

転校してきた伊里野加奈。転校生を気遣ってか積極的に話しかけるクラスメイト達にいきなり質問攻めに会う伊里野はあろう事か、「うるさい、あっち行け」とか言うし、ヘタレな浅羽は教室から逃げ出すしで夏休み明け初日からおかしな雰囲気になっている。そして倒れる浅羽直之。浅羽直之の位置からぼんやりと聞える保健の先生が電話での会話の中にオーバードーズ overdose という不穏な単語が混じっていたのは聞き間違いだろうか？保健室での会話は演出上浅羽には聞えない方が良いんだろうけど、「聞き取りにくい＝情報量が少ない」うえに展開が速すぎる気がする。無理せず12話使えば良いのにな～。あと個人的に衝撃だったのが予てから噂されていた「部長」が殿方、雄だったこと。浅羽が夏休み中ＵＦＯ探しに付き合っていたと言っていたから勝手に先輩とぼくみたいに素敵に変人な女の先輩だと思って読んでいただけに、ヒマワリを抱えて登場する部長に激しく萎えるｗｗｗでも「面白い人……（長門有希の声で再生してください。）」更に、この作品世界の日本には「自衛軍」が存在することも明らかになった。近未来の設定？

本日6月24日は全世界的に、ＵＦＯの日だぁあああああ！！！

1947年6月24日、アメリカで最初のUFOが目撃されたケネス・アーノルド事件についての説明後、空襲警報が鳴り響く。これはただの訓練だと言う浅羽を連れて伊里野は避難する。たしかに、このあたりの展開は最終兵器彼女に似ている。当初、戦争の兆しを察知できた者は少なく、読者目線で言えば戦争の当事者たる軍隊の構成員と、主人公の少年と少女だけだったという状況。誰かが提唱しているセカイ系の定義に、「個人」と「世界」の間に「社会」が介在せずに、「個人」の行動が直接「世界」を変えるというものがありましたが、確かにイリヤの空、ＵＦＯの夏でも既にセカイ系の雰囲気がしてきました。っていうか、アニメだけだとよく分からないです、現に理解できていません。いきなりほんとの空襲だったら良かったのに。みんな死んじゃえば良かったのに……とか言い出す可愛いヒロインは確かに電波で斬新ですが。（高橋しんの「最終兵器彼女」は仮に原作を読んでも基本的に理不尽な展開ですが。）

そいつをイリヤの心臓に打て

意味が……展開が……伊里野が……シェルターで密室……密室で伊里野の胸に注射器……原作買おう…。